ポートワインは子供の頃想像したワインの味。 甘くてコクがあって、あまりぐびぐびとは飲めない。4年前(にもなるのか)ポルトからレグアというところへ列車に乗って行った。ポートワインの生産地。9月のポルトガルは朝晩はひんやりとして、日中はきらきらと光が美しかった。ワイナリーと宿を兼ねるキンタというところに泊まり、日中はぶどう畑を散歩したりした。女主人にはお土産に虎屋のミニ羊羹を渡した。彼女がそれを食べたかどうかは分からないけど、とても喜んでいた。 レグアはReguaと書く。 ガイドブックにもレグアと書いてあったから、ポルトの駅で「レグアに行きたいんだけど」と言っても通じない。そのうちおじいちゃんたちの人だかりまで出来てしまい、そのうちの一人が「ヘグアじゃねえか?」と言った。レグアはヘグアだった。破裂音で、「ヘ」。 私の滑舌の悪い発声で「レグア」と言ったところで通じないわけだ。でも普通にレグアにたどり着いた。 その時買ったポートはビンテージのタウニーだったと思ったけど、美しい琥珀色をしていて、とても美味しかった。抜栓してから2年くらいかけて大事に飲んだように思う。飲み切るまでに、色々なことがあった。 とても美しいところだったから、今度息子を連れてまた来たいと思った。でもそう思ったことはおそらく息子には話していないと思う。 ...