到着日6.1km、翌日14.5km、3日目11.2km、昨日は歩かないぞと決めたのに11.3km。 何をやっているのだろう。ロンドンは平地だから先が見える。先が見えると歩きたくなる。でも思ったよりも意外と距離がある。 そんなことを繰り返して連日10km越え。 進んで戻っての繰り返しは何でも変わらないなぁと思うけれど、旅はそれが凝縮されるから面白い。 旅先に着いてしばらく過ごしていると、身体に薄い膜が一枚張ったように筋肉がつく。その国の仕様に変化するような感覚。 一人旅だとさらに顔つきが変わる。スペインに一ヶ月間滞在して帰国した際は税関にスーツケースの中身を全て開けさせられた。あのときは薄膜の下にさらに棘のようなものが生成されていたのかもしれない。 今回は旅のプランニングはほぼゼロ。カレーマップは作ってみたものの、行き当たりばったりで良い店に入ったときのほうが俄然嬉しいから、ほとんど活用していない。 まずは歩いて歩いて、ホテルを中心に半径5kmくらいは地図を見ないでも問題ないくらい、身体に馴染んでから。 ...
3階ぶんの長いエスカレーターを下る際、上り側に小学生の女の子が乗ってくるのが見えた。 乗った途端、エスカレーターのベルトに持っていた本を開いて乗せ、熱心に読む女の子。ああいいなぁと思う。自分の世界に入り込むツールであるのは同じなのに、なぜスマホを見ている人より、本を読む人のほうが魅力的に見えるのだろう。 今年買ったAndre Kerteszの On Reading。ご存知のとおり本を読む人(たまに虫など)をスナップした写真集なのだが、登場するだれもがやけに魅力的に見える。 人そのものでなく、行為にフォーカスして写真を撮ることは今までにあったかなと思ったら、あった。酒を飲む人。 酔っぱらいに声をかけて撮らせてもらうのだが、最近これは!と思う酔っぱらいに巡り合っていないので撮っていない。 チャンスに恵まれれば、ぜひ再開したいところ。 写真は古本屋さんの前で友達が出てくるのを待つ少女。 ...