アントニオ・ロペス展

Sunday, June 09, 2013

アントニオ・ロペス展。
4月頃、この展示が開催されることを知ってから行きたい行きたいと思っていたら、運良く招待状を頂くことができました。
彼の色の濃淡、とくにマドリードの光景を描いたシリーズのグレーのグラデーションがまさに私の知っているマドリードの色で、青空でもその乾燥した空気で舞い上がるチリでいつも煙っている空気感が脳みその奥のほうに仕舞っておいた記憶が呼び起こされるようなイメージ。
実際見る前までは写真的な絵画を描く画家、というイメージを持っていたのですが、写実的と言うより、彼自身がその時に感じた印象をリアリティを持って描き写したもの、といったほうが正しいのかもしれません。
それを一番感じさせたのが28年かけて描いたという一見マドリードではどこにでもありそうなコンクリートの屋上を描いたもの。数十年掛かって描こうと彼の目には当時の情景が写っていて、その場に身をおいて描くという行為は彼にとっては補完的な意味のほうが強かったのではないだろうかと思わせるものでした。

展示は素描、絵画(油絵)、彫刻で構成されていたのですが、素描で印象的だったのが影を輪郭を持って描いていたこと。油絵の作品を見ても日差しの強さを空の色や輪郭の太さで描くのでは無く、影の深い色で表現していたことにも通じるのでしょう。

渋谷bunkamuraで6/16(日)まで。
http://www.antonio-lopez.jp/


追記。
当たり前だけど絵を描く際の画角って50mmなんだと気づいて感動。

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