3月

Saturday, March 31, 2018


3月という季節が好きだ。啓蟄は3月の上旬だが、うまい言葉があるものだな、と思う。
この季節に里山や雑木林に入り込んだりすると、あらゆるものがうごめいている気配がする。冬の間に落ちたシイの葉の表面はカラカラに乾燥し、土に近い部分にある葉はほぐれて腐葉土に近い状態になっている。土が一番やわらかいのがこの時期だ。足元を包み込まれる感触がとても楽しい。
新芽はほんのりと赤かったり、綿毛のようなものに包まれていたり、これは人間の赤子と変わらないなと思ったりする。空はもやに包まれたような色をしていて、花粉のみならず様々な生き物が風に乗って運ばれているのを感じる。
土にそのまま活けたような落椿は、ほどけるように花芯が露出し、少しずつ茶に変化して土に溶ける。そのすぐ隣で青々とした双葉が顔を出していたりする。
一方、神社などでよく見かけるクスノキは春に落葉する。常緑樹ではあるが、やはり新旧交代は必要なのであろう。多くの変化が起こるこの時期。秋にはちゃんと結実できるように。

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