卒論を読み返してみる

Thursday, January 10, 2013

(水階段デッサン)

2月の展示の参考になるかなぁと思い、卒論を読み返している。索引入れて全79ページ。やたら写真が多いのが笑える。題名は「アルハンブラ宮殿におけるイスラムの水路技術とその芸術的側面」。なんてこたあない、ただもう一度アルハンブラに行きたかっただけ。勝手に決めて、日程組んで、転勤直前集中講義的なスペイン語の講座に申し込み、両親を「おじいちゃんが私に残してくれたお小遣いがあるはず」と脅し、ホテルとチケットを取り、なんかわからないけどついでに日帰りでモロッコに行った。

水源を求めてなぜかスペイン最高峰の山にも登った。ムラセン山。標高は約3,500m。サンダルとタンクトップ。命綱は成田で母に買ってもらったハイチュウ。山頂まで行って、マウンテンバイクでえんやこら登ってきたアクティブな兄さんに撮ってもらった写真は、目つぶりだった。
山を下る途中、背の低いオランダ人にナンパされた。背は低いけど鼻は高いから、標高の高いところでは鼻水が辛そうだったので、心のなかで「ハナオ」と名付けた。その彼に下りのバス券をもらって日が暮れるまでに山を下ることが出来たのだが、英語での会話がめんどくさくなって途中から日本語で相槌を打っていたら、ハナオも話すのをやめた。そういえばアルヘシラスからタンジェに渡る船ではモロッコの中年男に声を掛けられ、適当に付き合っていたら「おれの名前を漢字で書いてくれ」というので「蒸多不安」と書いた。「ムスタファ」だ。(「ファ」はもしかしたら五線譜を書いてファの部分にマルをつけたものだったかもしれない。今思い出した。)「漢字の意味を教えてくれ」と言うので、なんか適当に答えた。
川の対岸に渡りたかったけれど橋が無かったから、川にも飛び降りて護岸を登って渡った。あちこちで水を採取して、本を買いまくったので荷物は30kgを裕に越え、怪しい雰囲気プンプンだった私は当然税関でトランクを開けさせられた。

なんか、あの勢いというかノリというかバカバカしいほどの真っ直ぐな思い込みって何だったんだろう。過去を振り返ることは大事だけど、昔話なんてしていてはダメなんだろうな、きっと。

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