タイポグラフィーが美しい、Nina SimoneのFeeling Good. 彼女の歌うFeeling Goodを聴いたのは意外と最近で、はじめて聴いたのはLynn Marinoのもの。ピアノトリオをバックにスピーディーな展開の曲だったから、はじめ同じ曲だとは思わなかった。ジャズはスタンダードナンバーを様々な奏者がそれぞれの解釈で表現するから面白い。しっくりくるものと出会ったときは本当にうれしいから、何度も何度も聴く。そして忘れた頃にどこかで似たようなメロディを聴いて、音の記憶をたどって何年か前に好きで聴いていた曲を思い出して再会の喜びを味わうとか。 そういえば最近そんな言葉を聞くことも無くなったけど、ジャケ買いって凄いことだと思うなぁ。アルバムなりCDの写真やパッケージデザインでその奏者の音やら世界観を表しているということだもんね。ここのところずっと写真を「群」で見ることばかりしていたけれど、やはりこの一枚、と言えるものの存在も大事よね、とつまり写真展のセレクトをに悩んでいるだけですが。 ちなみにLynn Marinoの歌う同曲はこちら。 ...
明日1/19(土)発売の日本カメラ2月号の口絵に掲載されます(p.48〜52)。 2011年11月に撮影したグラナダを中心とするアンダルシア地方のもの。 思い入れのある場所なだけに、喜びもひとしおです。書店にてぜひご覧くださいね。(口絵ノートもお忘れなく!) また、先日お知らせした来月2/19(火)より開催されるThe Emerging Photography Artist 2013-新進気鋭のアート写真家展- にも掲載の写真を一部展示予定です。こちらもどうぞよろしくお願いします! 日本カメラ2013年2月号 インスタイル・フォトグラフィー・センター(IPC) ...
今日、返礼のお品にクッキーをもらった。帰宅してがさごそと包みを開くとなにやら見覚えのある懐かしい缶。モロゾフのクッキーだった。 長いこと横浜に住んでいた私にとって、お菓子といえば喜久家洋菓子店かモロゾフだった。 懐かしいという気持ちの正体はこの写真だった。まだ私が赤ちゃんだったころの写真。人を小馬鹿にしたような表情は置いといて、その頭上の缶。母が私をお手入れするときに使っていた、ベビーパウダーやらこまごまとしたものが入っていた缶がこれだった。 この写真のためだけでなく、このモロゾフの缶は子供心に印象深くて、なんとなく覚えている。そして驚いたのが、そのデザインが全く変わっていないということ。今見ても、色鮮やかな千代紙のようで、とても素敵だ。 お菓子の缶といっしょに小さな頃の私に会えたようで、なんだか嬉しい。 モロゾフのサイト ...
久しぶりの雪だ。気になって外ばかり見ていた。 向かいの家の塀に積もった雪の厚さは、夜になる頃はおそらく20センチを超えていただろう。 家の前の通りは普段から人通りは少ないほうだが、今日はほとんど無かった。オレンジの合羽を着た子供と、ブルーのジャケットのお父さんが通ったきりだ。 朝起きて、くもりガラスに映る大量の水玉の影で雪と分かった。 成人式の日を思い出す。 私の成人式の日も大雪で、どうしようかと悩んでいたら友人から電話が着て、成人式に行くのはやめようという話になった。その後雪を見ながらゆっくりと風呂に浸かって、実家から徒歩1分のところにある友人宅でワインを少し飲んだような記憶がある。 雪の日はゆっくりせよと誰かから言われている気がするので、無理はしない。 昨日会った母や伯母たちからはあまりの顔色の悪さを心配され、「少しゆっくりしたら?」とも言われたので素直に従うことにする。 実家はいつもやたらクラシック音楽がかかっている家で、ふと気がつくと聴き入っていることがあった。あれで結構リラックスできていたのかもしれない。だから好きな音楽だけど曲名が分からない、というものがかなりある。 youtubeでめぼしいものを探してリピート再生したりしている。この曲。雪とよく合う。 何年かぶりにホットケーキも焼いてみた。何年か前に買ってそのままにしていたホットケーキミックス。 やはり一枚目はまだら模様になるのはいつものこと。 食べてみて、そういえば私はホットケーキがあまり好きでなかったことに気がついた。たぶんホットケーキミックスのあの独特のにおいが苦手なんだと思うが、幼い頃はホットケーキを焼くという行為がなにか特別なイベントのようでいい思い出のように記憶しているので、「好きでない」と言うことがはばかられるものだ。 美味しいコーヒーも淹れた。ストックが少なくなってきたので注文もした。夫がスキャナで卒論をデータ化してくれた。良い休日だった。 ...
昨日は横浜、三渓園に隣接する料亭で初煎会の撮影でした。 年明けに毎年煎茶道の家元である伯母が開催している茶会。通常のお茶会と異なり、お弟子さんたちを家元がおもてなしをするというもの。 いつもは席主として忙しく立ち回っている家元直々にお点前をする年に一度のチャンスということで、気合も入るというものです。しかも舞台は築600年ほどの古民家で、原三渓氏が伊豆より移築したと邸宅という最高の条件。このような素敵な場所を自由に使用でき、かつ撮影させていただけるのも家元の人徳のお陰。感謝です。 昨年グループ展で一旦発表はしましたが、まだまだ課題の残るこのシリーズ。本当に色々な方に協力していただいているゆえ、中途半端な形では終えてはいけないと思っています。 写真はお正月ということで「お福茶」というもの。小さな梅干しと結び昆布が入っています。 ...
(クリックで拡大します) “The Emerging Photography Artist 2013” -新進気鋭のアート写真家展-に参加させていただくことになりました。 以下は概要です。 --------------- “The Emerging Photography Artist 2013”(エマージング・フォトグラフィー・アーティスト 2013)-新進気鋭のアート写真家展- 2013年2月19日(火)~3月3日(日) 午後 1時 ~ 6時 (最終日5時) / 入場無料 主催 ジャパン・フォトグラフィー・アート・ディーラーズ・ソサイエティー(JPADS) 会場:インスタイル・フォトグラフィー・センター 東京都港区南麻布5-2-9 東京メトロ日比谷線 広尾駅下車 徒歩7分 ジャパン・フォトグラフィー・アート・ディーラーズ・ソサイエティー(JPADS)は、アーティストを目指す若手、新人写真家をアート写真市場に紹介するための“The Emerging Photography Artist 2013” (新進気鋭のアート写真家展)を2013年 2月に開催いたします。 展示作品数は約50~80作品を予定しています。カタログを制作するとともに、すべての作品は推薦者の責任のもとに客観的な価格が付けられ販売されます。今回は、推薦者、来場者の投票によりグランプリ(1名)、準グランプリ(数名)を選出する予定です。 限られた空間で若手、新人写真家がどのようなオリジナリティー豊かな表現を見せてくれるかご期待ください。 --------------- >>元のプレスへのリンクはこちらから(インスタイル・フォトグラフィー・センター(IPC)のサイトへ) http://www.instylephotocenter.com/jpads.html プレスリリース(PDF) プレスリリース イメージ有(PDF) 皆様のご来場、お待ちしております! ...
(水階段デッサン) 2月の展示の参考になるかなぁと思い、卒論を読み返している。索引入れて全79ページ。やたら写真が多いのが笑える。題名は「アルハンブラ宮殿におけるイスラムの水路技術とその芸術的側面」。なんてこたあない、ただもう一度アルハンブラに行きたかっただけ。勝手に決めて、日程組んで、転勤直前集中講義的なスペイン語の講座に申し込み、両親を「おじいちゃんが私に残してくれたお小遣いがあるはず」と脅し、ホテルとチケットを取り、なんかわからないけどついでに日帰りでモロッコに行った。 水源を求めてなぜかスペイン最高峰の山にも登った。ムラセン山。標高は約3,500m。サンダルとタンクトップ。命綱は成田で母に買ってもらったハイチュウ。山頂まで行って、マウンテンバイクでえんやこら登ってきたアクティブな兄さんに撮ってもらった写真は、目つぶりだった。 山を下る途中、背の低いオランダ人にナンパされた。背は低いけど鼻は高いから、標高の高いところでは鼻水が辛そうだったので、心のなかで「ハナオ」と名付けた。その彼に下りのバス券をもらって日が暮れるまでに山を下ることが出来たのだが、英語での会話がめんどくさくなって途中から日本語で相槌を打っていたら、ハナオも話すのをやめた。そういえばアルヘシラスからタンジェに渡る船ではモロッコの中年男に声を掛けられ、適当に付き合っていたら「おれの名前を漢字で書いてくれ」というので「蒸多不安」と書いた。「ムスタファ」だ。(「ファ」はもしかしたら五線譜を書いてファの部分にマルをつけたものだったかもしれない。今思い出した。)「漢字の意味を教えてくれ」と言うので、なんか適当に答えた。 川の対岸に渡りたかったけれど橋が無かったから、川にも飛び降りて護岸を登って渡った。あちこちで水を採取して、本を買いまくったので荷物は30kgを裕に越え、怪しい雰囲気プンプンだった私は当然税関でトランクを開けさせられた。 なんか、あの勢いというかノリというかバカバカしいほどの真っ直ぐな思い込みって何だったんだろう。過去を振り返ることは大事だけど、昔話なんてしていてはダメなんだろうな、きっと。 ...
新年あけましておめでとうございます。 今日は実家へ挨拶へ行く前に、近くのお不動さんへ。 いつもは静かなこちらも、さすがに年始は賑やか。テキ屋で遊ぶ子供の姿や屋台の合間のベンチでおでんをつつく人々の顔を見ていると、この場所でずっと繰り返されてきたお正月の風景であることを感じます。日々を暮らす人たちがお互いの時間を同じ景色の中で共有するちょっとした時間。その風景。年明け、新年という言葉のとおりの人々の晴れやかな表情。 お詣りのあとは電車にゆらゆら揺られて横浜へ。母のおせちを食べて、父が用意してくれた熱燗を飲んで、みんなでああだ、こうだと時間を過ごしているうちに穏やかな気分に。気づいた頃にはすでに夜。お正月っていいものだなとしみじみと感じた1月2日。 今年も毎日撮り続けて参ります。 本年もどうぞよろしくお願いいたします! ...